見たいセクションをクリックしよう。
のサンプルはツマミを動かしたことを意味します。
ここはさらに、OSC1,OSC2,両OSC共通部の3つのブロックに分けられる。 OSC1 : Waveform(波形)は見ての通り4種類で、上からSin(正弦波),Triangle(三角波),Sawtooth(のこぎり波),Square(矩形(くけい)波)だ。 その下にあるFM amountは、OSC2の出力で変調(モジュレート)される度合いを決める。"FM"はFrequency(周波数)Modulation(変調)の頭文字、"amount"は"量"だ。例えば、OSC2のSemitonesを-60という人間の耳には聞こえないような低い音に合わせ、波形は「ノコギリ」にしたとする。そしてFM amountを上げていくと、OSC2の波形に合わせて音程が変化する。これはLFOで音程を揺さぶったことと同じなんだな。オシレータセクションにある「LFOのようなもの」ということで金属音的な変調が可能だ。 RING MODモードのときは、OSC1を1オクターブの範囲でチューニングできる。リングモジュレートサウンドは、OSC2のSemitonesをチューニングして作るので、出来上がる音はキーが合わないことがほとんどだ。このキーを補正するためにチューニング機能がある。 OSC2 : Waveform(波形)はOSC1と同じ4種類だが、上からTriangle(三角波),Sawtooth(のこぎり波),Square(矩形(くけい)波),Noise(ノイズ)だ。 それらの音程を決めるのが、Semitones,Fine tuneで、前者はOSC1に対しマイナス60半音(5オクターブ)からプラス60半音(5オクターブ)の設定幅がある。OCTランプは、1オクターブ毎に点灯する。後者はマイナス1/4音(半音の半分)からプラス1/4音の間でチューニングでき、プラスマイナス0でOCTランプが0.5秒間反転表示する。 Semitonesノブは、波形をNOISEに合わせたときにはその音色、Syncモードのときは、11種類のシンクサウンド(波形)が選べる。 KBD TRACKボタンは、ON(LED点灯)でMIDIノートによる音程が付き、OFF(LED消灯)でMIDIノートに関係ない音程で発音する。 あとは共通部だ。Pulse widthは、矩形波のデューティ比(波形の上の部分と下の部分の比)調節。50%〜99%の範囲だ。Mixは、両オシレータの割合を調節する。 その間にあるボタンは、SYNC→RING MOD→SYNC+RING MOD→OFF→SYNCとモードが変わる。 |
このフィルタセクションでは、原波形に含まれる様々な倍音を削ったり、削り具合に時間的変化を付けたり、シンセサウンドを作るのにオシレータと並ぶ重要なパラメータだ。オシレータが「料理の材料」とすれば、フィルタはそれを調理する「厨房」と言えるだろう。 Attack,Decay,Sustain,Releaseで構成されたエンベロープジェネレータは「アンプリファイア」のそれと同じ具合なので省略する。(^_^A FilterTypeボタンは、次の5種類のフィルタタイプを切り替える。試しにOSCをノコギリ波にしてFrequencyツマミを回してみよう。 HP 24 dB =ハイパス24dB。ハイをパスということは言い換えればローをカット。ペラペラな「ミーン」という音になる。 BP =バンドパス。ある帯域のみを通過させるフィルタだ。Frequencyを動かすとパライコでツマミをいじっているような感じになる。サンプルでは、強調する周波数帯がよく分かるように、低域から高域まで均等に倍音を含んだノイズにかけてみた。 LP 24 dB =ローパス24dB。ローをパスということでハイ(高域)からカットすることだ。カットオフといっても、カットオフポイントでスパッと倍音が切られるわけではなく高域を少し残したままカットされる。アナログ回路の特性上仕方がないことなんだが、この「残し具合」がdB(デシベル)で表されていると考えていい。24dBタイプは12dBタイプに比べて機能的に高特性、つまり「切れ」がいいので、音がしっかり丸くなる感じだ。多くのアナログシンセは、この方式だ。 NOTCH + LP =ノッチ+ローパス。ノッチはバンドパスの逆で、ある帯域をカットするフィルタだ。エンベロープでスイープをかけると、「シュワーン」という音になる。 LP 12 dB =ローパス12dB。こちらも多くのシンセに採用されている方式だ。24dBに比べてダラダラ削るので、ちょっと高域を含みつつ音を丸くできる。 Frequencyは、FilterTypeで選んだ方式、つまり「音の成分の削り方パターン」で原波形の削り具合を調整する。 Resonanceは、カットした周波数付近の倍音をブーストする。いっぱいまで上げるとその周波数が基音であるかのように聞こえてくる。ビキビキなテクノな方々には欠かせないパラメータだ。 Envelope amountは、エンベロープジェネレータによるFrequencyの変化量を決める。 VELOCITYボタンは、キーベロシティでEnvelope amountをコントロールするときにONにする。 KBD trackボタンは、キーボードの位置に沿ってFrequencyが追従する度合いをOFF,1/3,2/3,FULLの中から選ぶ。例えば、FilterTypeを"LP 12dB"に、Frequencyを10時の位置にして、KBD trackがOFFのままキーボードを高音へと弾いていくと高音になるにつれて音がこもってくる。つまり、カットオフ周波数が固定されているために、基音の音程が上がったことで相対的にカットオフ周波数が下がって「音がこもった」ことになるのだ。これを解消するためにこの機能がある。 DISTORTIONボタンは、フィルタリングしたあとの波形をクリップしたような一種のエフェクトを加える。使用前〜使用後の音 |
ノードリードシンセに採用されているエンベロープジェネレータは、ADSR方式と呼ばれるものだ。これは世にあるシンセサイザーに最もよく使われている方式ゆえ、典型的なシンセサウンド作りだったらこれで十分ということになる。 Attackの時間コントロールは、0〜28secの範囲で設定できる。DecayとReleaseの時間コントロールは、0〜28sec〜無限となっている。 Sustainは、音量0〜Gainで設定した音量まで調節できる。 Gainはプログラム全体の音量を決める。プログラムの音色による音量のバラツキを補正できる。 |
ここはトッテモわかりやすい! 念のため、「LFO」とは、Low Frequency Oscillatorの頭文字を取って略した言葉だ。つまり低周波発振器である。よって、音が低すぎて人間の耳には聞こえない。聴ける音ではないからLFOの出力先はアンプやフィルタには行かない。 Rateは、発振周期のスピード(周波数)。約0.078Hz(1周期=約12.8sec)〜めちゃ速(測定する術がない) Amountは、発振の大きさ(振幅)。0〜かなり(^_^; 右へ回すほど変調が深くなる。 左の波形選択ボタンは、生成される波形を選ぶ。上からジグザグに・・・ Soft Random(S/H(サンプル&ホールド)波形にポルタメントをかけたような波形)、Square(矩形波)、Triangle(三角波)、Sawtooth(下向きノコギリ波)、Randomの5種類。 また、取説に載っていない裏技なのだが、SHIFT+波形選択ボタンで、MASTER LEVELを除くすべてのノブの位置を数値でディスプレイに表示させることが出来る。(みつい しょうじさんからの情報) 右の変調先選択ボタンは、LFOの出力をどこへ持っていくかを選ぶ。(サンプルは、0→最大→0とノブを回した) FMは、OSC 1のFM amount、OSC 1+2は、両方のオシレータ、OSC 2は、そこだけ。FILTERは、フィルタのFrequency、PWはオシレータ共通部のPulse widthへ送られる。 |
ここは、もうひとつのLFOであるLFO 2とアルペジエータのセクションだ。 Rateは、LFO使用時は発振周期のスピード(周波数)。約0.078Hz〜めちゃ速(測定する術がない) アルペジエータ使用時はアルペジオの速さを設定できる。 Amt/Arp rangeは、LFO使用時は変調の深さ、アルペジエータ使用時は変化幅をオクターブ毎に4オクターブの範囲で設定できる。 左のARPボタンをONにするとアルペジオモードになり、OFFでLFOモードだ。LFOの波形はTriangle(三角波)に固定されている。 右の選択ボタンは、LFO使用時にはその変調先である、OSC 1+2(両オシレータの音程)、AMP(アンプリファイアのGain)、FILTER(フィルタのFrequency、の中から選択。(サンプルは、0→最大→0とノブを回した) アルペジオ使用時は、そのパターンを、RND(ランダム),UP(上昇),U&D(上昇下降),DWN(下降)の中から選ぶ。 その中でもECHOはアルペジオではなく、鍵盤からのトリガー(打鍵信号)を繰り返す(最大8回)疑似ディレイモードだ。フィードバック音が減衰するようにしたい場合は、FILTERのVELOCITYを有効にしておかなければならない。それ以外はただ同じ音を繰り返すことになる。 |
LFOでは周期的な波で音程や音量、音色を変調した。それに対して、エンベロープで各パラメータを変調(モジュレート)させるのがこのセクションだ。 Attackは、Amountで決めたエンベロープの最大量まで達する時間。(0〜28秒) Decayは、エンベロープの最大量から0に戻るまでの時間。(0〜28秒) Attack作動中に鍵盤を離した場合は、Decayで設定した時間で0に達する。また、Decay作動中で鍵盤を離した場合は、そのままの変化の速度で0に達する。もっとも、AmplifierのReleaseがここのDecayよりも長い場合だけどね。 Amountは、先にも触れたAttack,Decayで作ったエンベロープでモジュレートする変化量を設定する。 中央の送り先ボタンは、生成されたエンベロープ信号の送り先として、オシレータセクションのFM Amount,Pulse width,OSC 2の中からひとつ選ぶことができる。 |
作成したプログラムを効率よく呼び出せるようにしたのが、このプログラムセクションだ。 ▲ボタン,▼ボタンは、メモリーされたプログラムをひとつずつ呼び出すことができる。また、SHIFTボタンの併用により10個飛びで移動できる。 STOREボタンを押すと、作ったプログラムの入居先を探すモードになり、もう一度押すと選んだ番号にストア(メモリー)される。 A,B,C,D各スロットは、ひとつの(全297プログラム)メモリーエリアを覗く窓だ。4つあるので窓(スロット)毎に好きなプログラムを覗いた(選んだ)状態にしておき、窓を切り替えるだけで4種類の好きなプログラムを一瞬に呼び出せる。 |
Velocity/Morphは、ベロシティやモジュレーション情報(コントロールチェンジ#1)で各パラメータをコントロールする設定を行う。マスターレベルを除くすべてのノブの動きを複数設定できる。
TRIGは、ノートON信号を受信できないときにこれを押してサウンドチェックが出来る。 中央Cで発音するが、OCT SHIFTで変更することもできる。
PERF. MODEは、最大4つまでのサウンドをレイヤー、またはスプリットした設定を記憶したモード(パフォーマンス)を呼び出すボタンだ。 |
ポルタメントはアナログシンセリードに欠かせないパラメータだ。ノード系のこれは時間をコントロールするので、インターバルがどれだけ離れても時間は一定。 Portamentoは、ポルタメントタイムを設定する。 AUTOは、ONにするとレガート奏法(押した鍵盤を放す前に次の鍵盤を押さえて演奏すること)時のみポルタメントがかかるようになる。
ここはMIDIノートを受信したときの発音方式を選べる。 POLYは、最大16音までポリフォニックに発音する。 LEGATOは、モノフォニック(単音)になって、レガート奏法時にエンベロープジェネレータを働かせないようにするモード。例えば、減衰系のエンベロープカーブでレガート奏法をすると、打鍵しても新たにエンベロープジェネレータが働かないので音がどんどん減衰していくというわけ。 MONOは、モノフォニックで、どんな弾き方をしても打鍵毎にエンベロープジェネレータが働くモードだ。 UNISONは、POLY,LEGATO,MONOモードすべてに有効で、POLYモード時は2ボイス重なり、LEGATO,MONOモード時は4ボイス重なった分厚いユニゾンサウンドになる。 |
ホイール情報をどこへ送るか、その行き先(Destination)を決めるところだ。また、シフトボタンも兼ねている。 MORPHは、モーフ機能使用時に・・・。 LFO1は、LFO1のAmountへ。 OSC2は、OSCILLATORSのピッチへ。ホイール位置最大で59.5半音上がる。なんで60半音(5オクターブ)じゃないんだ!Fine tuneのカンケイかもしれないな。 FMは、オシレータののFM Amountへ。 FILTERは、フィルタのFrequencyへ。 |
オクターブシフトでは、OSCILLATORSセクション全体に作用するようになっている。そういうわけでOSC1にはピッチを決めるところがないのだ。 左ボタン,右ボタンを使い、オクターブずつ鍵盤を弾いたままであっても移動できる。また、両方のボタンを同時に1秒間押し続けるとLEDが反転表示に変わり、今度は出力するMIDIノートがシフトされる。このMIDIノートシフトは、プログラムのパラメータとは関係なく動作する。よってMIDIノートシフトの設定はプログラムできない。 nordrack2の場合はTRIGでMIDIノートが出るだけなのでさほど使い道はない。 |
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