No.40 マイクロ・コンポーザー(2)

 マイクロ・コンポーザー(以下MCと略す)では、各演奏データを数値に変換してプログラムするのですが、打ち込みの順序としては、CV(音程)、STEP(譜割り)、GATE(レガート、スタッカート等のニュアンス)で、この3つのデータは最低限必要なものと言えます。

 まずCVは、各音程に固有のナンバーを持たせ(C1=0,C#1=1、E1=4、C2=12、C3=24等々)これを打ち込みます。MC−4では、キーボードを押さえてCVをロードできるので、キーボードが弾ける人にはこちらのほうが容易でしょう。

 譜面からMC打ち込み用のプログラム・シートを作成したら、まずこの音程だけを先にロードし、これが済んだ時点で次のSTEP、GATEに進みます。

 STEP(TIME)、GATE(同)は両方ともリズムに関するものですが、STEPが表記上の音符の長さ(4分音符=24、8分音符=12、全休止符=96という具合に設定する)なのに対し、GATEは、オルガンで言うと鍵盤を押している時間の長さ、つまりレガート、スタッカート、スラー等のニュアンスを決定することになります(実際には、シンセサイザーのEGのGATEをどのくらい開くかをコントロールしているわけです)。

 したがってGATEの設置は、STEPより小さくなり、GATEがゼロの時は休符ということになります。

 ここにあげた図は、譜面(ベース・ラインの一例)をもとに、プログラム・シートを作成するためのものです。1小節目の3,4拍子のタイで結ばれた部分は、1つの音符として数える点や、GATEでスタッカートのニュアンスを出している点に注目してください。さらに、ダイナミックスもCVに30〜100の数値を打ち込み、各音符ごとに変化を付けられるし(VCAに送る)、音色の微妙な変化も可能です(VCFに送る)。

 さて、多重録音時の重要な要素としてシンクロ機能があります。これは、テープデッキのあるトラックにMCの出す同期信号を同時録音しておき、後でMCに戻すことでMCを駆動し、完全な同期自動演奏が可能になります。

 これにより、全く同じテンポで声部をどんどん増やしていけるわけです。

文・岩崎 工

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